2015年11月12日木曜日

シャッフルなきもち5

★ 本日ビギナークリニック

7時半オープン
8時スタート



今月の課題曲はRoute 66ですよ~


そしてそして ブルースビギナーの方も、ブルースマスターの方も是非読んでいただきたいシリーズ!
hithardさんありがとうございます(^^)


シャッフルな気持ち 5


こんにちは! 前回に引き続き、"シカゴブルース前夜"である1950年代前半のメンフィスブルースのドラマーを聴いていきます。

Earl Forest(Rosco Gordon、Bobby Bland、B.B. King、Johnny Ace、Ike Turner)

Rosco Gordon、Bobby Bland、B.B. King、Johnny Aceも在籍していたというBeale Streetersのドラマー。B.B.がDJをしていたラジオ局WDIAの番組中ではB.B.のバックでも頻繁にやっていたようです。

ホーンのイントロが印象的なナンバー。ツブ立ちのよい軽快なライドシンバルとスネアのアクセントが効果的ですねー。
 
 
どっしりたシャッフルとスネアの太い音がマッチしてます。バックのキュインキュインしたギターが気持ち良い!


Earl Forest名義。演奏はBeale Streetersのようです。映像に出てくるWDIAのスタジオでのメンバー写真や当時のメンフィスの建物らしき写真は貴重なのではないでしょうか。


そして、B.B. Kingの出世作。この曲もこの人だそうです。



E.A. Kamp(B.B. King)

B.B. Kingの初録音のドラマー。ベーシストのTuff Greenという人と活動をともにしていたようですが、録音としてはB.B.以外の彼の録音は見当たらないのが残念です。

B.B.がいろんな意味で苦労をかけていた奥さんをなだめ、繋ぎ止めるために作った曲。B.B.の初録音で、DJをしていたWDIAのスタジオで録音とのこと。このとき4曲のセッションをおさめたそうです。


シンバルでの小気味良く引っ張るシャッフルにスネアのブレイクやオカズがよいアクセントになっていますね。


初々しいB.B.の声が印象に残る軽快なシャッフル曲。ピアノソロに入るところからのドライヴ感が気持ちいい〜。

Houston Stokes(Walter Horton、James Cotton、Sonny Boy Williamson II、Rufus Thomas etc)

1950年代前半にメンフィスでそうそうたる人達のバックでの録音があり、かなり広く活躍していた人のようです。本人も歌うようで自分名義の録音もありますね。

Jimmy and Walterとありますが、A面がJimmy DeBerry、B面がWalter Hortonメインの録音です。Walter Hortonの方の「Easy」は後々も多く聴かれる彼のフレーズが聴けますね。


James Cottonの、My BabeではなくMy Baby。こちらも軽快でダンサブルなイイ曲ですねー。


本人名義の録音。以外と甘い声をしていますよね。緩やかなシャッフルにスネアのタイミングがいい感じで落ちています。


というわけで、今回も1950年前半のメンフィス録音のドラマーをご紹介しました。メンフィスブルース。次回あと一回ご紹介します。ではまた!

by hithard

2015年10月25日日曜日

シャッフルなきもち4

★ 本日ラストサンデーセッション

7時半オープン
8時スタート




スロブの常連ドラマー hithard氏による大好評連載シリーズ第四弾です!


シャッフルな気持ち 4

こんにちは! 前回までの「まずはブルースシャッフル創成期を聴いてみる」「ブルースシャッフルならまずこの人達」に続き、本編という感じに入っていきたいと思います。

メンフィス…。ブルースにとって重要な街であることをブルースを聴き始めてから知りました(恥)。B.B Kingの自叙伝でもミシシッピなどのアメリカ南部の綿花畑で働く黒人たちが一旗揚げようと向かうあこがれの街であったことが描かれています。僕はシカゴブルースが大好きなのですが、1940年代後半〜50年代前半のメンフィスではその後シカゴで活躍するブルースマンを含め多くのブルースマンがしのぎを削っていたそうです。いろいろな本などの記述によるとB.B.King、Bobby Bland、Robert Jr Lockwood、Sonny Boy Williamson Ⅱ、Howlin' Wolf、Junior Parker、James Cotton、Big Walter Horton、Hubert Sumlin、Mat Murphy、Pat Hare、Willie Johnson、Little Milton、Ike Turner、Rufas Thomas あたりが同時期にメンフィスにいたことになります。ひょえ〜・・・。力強いシャッフルを醸成したシカゴブルースに至る、まさに"シカゴブルース前夜"のシャッフルを聴いてみたいと思います。

Willie Steel(Howlin' Wolf、Charey Patton) Howlin' Wolfのメンフィス録音のドラマー。荒くも重たくてアタックの強力なシャッフルは、同時期のシカゴのドラマーの一歩先にいた感じもあります。
加速するシャッフルの疾走感がカッコいい!ハープはHowlin' Wolfですかね。


鋭角なギターの音と印象的なリフが好きなんです。Willie Johnsonと思われます。


柔らかい後ろから押しだすようなミディアムシャッフルが心地よいですねえ。


John Bowers(Junior Parker、James Cotton) Junior Parkerの初期録音のドラマー。のちにElvis Presleyが取り上げて大ヒットのMystery Trainの軽快でバネのきいたドラムもこの人のようです。
軽快なブギー。伸びやかなJunior Parkerの声とギターの自由なリズムがカッコいいです!


James Cottonの貴重なメンフィス録音。重たいシャッフルに絡むヒステリックなギターサウンドが最高!

Willie Sims(Jacke Brenston、Little Milton、Tina Turner etc) 1950年代前半にメンフィスで活動した人のようです。世界で最初のロックンロールとも言われるJackie BrenstonとIke TurnerのRocket88を叩いているドラマーでもあります。
そのRocket88。Ike Turnerのアバウトで勢いのあるイントロのピアノが好きです。


Little Miltonの声が若い!ギターの音が鋭角でリズムも立っていて気持ちよいです。


というわけで、今回は1950年前後のメンフィス録音のドラマーをご紹介しました。シカゴブルースほど重厚ではないですが、カラッとしたサウンドと荒々しさとスピード感のあるシャッフルが個人的には気に入っています。この時期のメンフィスブルースはまだまだ紹介したい人がいるのであと何回かメンフィスでいきたいと思います。

ではまた!by hithard

2015年9月18日金曜日

シャッフルなきもち Part3

★ 本日金曜セッション

7時半オープン
8時スタート




はい!

シャッフルなきもち! はいりました~~~(^^)/
ん~ なるほど~ です


*********

こんにちは!hithardです。
前回はブルースドラム創成期のシャッフルを聴きました。創成期と言いながら強力なシャッフルばかり。この企画、僕自身が勉強になるし楽しいです(笑)。今回はブルースドラマーならまずこの人達!という有名どころです。

ブルースセッションに初めて飛び込む方で最初から「ブルースやりたい」と強く思ってセッションに行った方…そう多くはないのではないかと思います。特にドラムやベース。僕も何回か行って初めてブルースに興味を持ち出し「ブルースのドラムって?楽しむにはやっぱり曲を知ってたほうがいいかな?」と周りの方にどんなドラマーを聴いたらいいのか、参考になるアルバムは、といろいろ聞きました。そのときほとんどの方から出てきた名前が今日紹介する人達でした。

Fred Below(The Aces,Robert Jr Lockwood,Junior Wells,Little Walter etc)
シカゴブルースいやブルースドラマーで最も名前の知られた人だと思います。この人が叩いているRobert Jr Lockwoodの日本ライヴ盤は僕が「まず最初に聴け!」と教えられた一枚。そのスイング感溢れるシャッフルは到底真似できないOne & Onlyなシャッフルだと思います。

Otis Rushのインスト。コントロールされたスインギーなビート。そこから出るほとばしるエネルギーを感じるシャッフルに悶絶すること間違い無し。



柔らかく連続するシャッフルに、後ろに引きずるようなスネア連打のオカズがカッチョいい!いつまで聴いていても飽きません。



ブルースドラマーはドラマーである前にブルースマン。歌を歌う人も結構います。特別なことをやっているふうでもないのに何故か強力にスイングしてますよね。



Odie Payne(Elmore James,Magic Sam,Buddy Guy etc)
この人の関わったセッション、録音も凄い数なのではないでしょうか。周りのブルースマンに信頼が厚かったことを想像させます。プレイはオーソドックスな感じですが、ノッテくると唸り声をあげたり、魅せるプレイを意識したキャラクターも魅力です。

Carey Bellを踊らせる軽快なシャッフル。シンプルですが思わず腰の動くアクセントや仕掛けと盛り上がりが素晴らしいです。雄叫びあげてます(笑)。


Willie Mabonのこの曲。着実な推進感のあるミディアムテンポのシャッフル。ベースのBob Strogerとの絡みがあまりに心地よいです。



この曲でのOdie Payneのドラムはスペーシー感すら感じてしまいます。初めて観た時はシンプルでもこんなに印象的でカッコイイ表現ができるのだとゾクッとしました。2:00あたりから魅せる連打のオカズが凄い!


Sonny Freeman(Junior Parker,Bobby Bland,B.B.King etc)
そうそうたるブルースの巨人達のリズムを支えた人。シャッフルのみならずファンク、スロー、マンボ?までも。バランスの取れたブルースドラムのスタイルだと感じます。

倍テンポな畳み掛けるシャッフルが最高にカッコイイです。心臓わしづかみでさらにグイグイ引っ張られる感じでしょうか。拍と拍の間が飛び跳ねるように感じで思わず身体が動きます。



こちらはBBもSonnyもかなり若い。シャキッとしてグイグイ引っ張るシャッフルは腕にバネ入ってんじゃないの?と思うくらいスネアのアタックが強くそれを感じさせます。この動画は3曲演奏されていて、3曲目(5:55あたりから)では粘りのあるシャッフルも聴かせてくれます。



ではまた!




2015年8月20日木曜日

シャッフルなきもち 2

★ 本日ジャズセッション

7時半オープン
8時スタート

チャージ1000円



で、 タイトル通り本日はいつものあたくしの戯言ではなく!

楽しみにされてる方 いますよね~

第2回シャッフルなきもちです!



Blues &Soul Records 83号の特集「ブルースを叩く!」の"ブルースドラム進化論"によると、ブルースの演奏にドラムが使われるようになったのは1930年代後半から。(ちなみにジャズでは1920年代からドラムセットでのドラムが使われていたそうです。)
そして、最初はチーチッキチーチッキの4ビートが基本だったブルースドラムが、バスドラでビートを強めさらにシャッフルをより明確に表現し始めたのは1950年代前半とのことです。


Lawrence "Judge" Riley
(Big Bill Broonzy、Sonny Boy Williamson Ⅰ etc)

同書で、シカゴにおける1940年代後半からのシャッフル過渡期にキーマンに挙げられている人です。この曲ではのちのダブルシャッフルへの発展を予感させるスネアの強いアクセントが効いてます。




Elgin Evans(Muddy Waters,Little Walter)

もう一人のシカゴのキーマンとして挙げられているのがこの人。こちらはハイハットの軽快なチッチチッチッ、という跳ねたシャッフルのリズムが特徴的。

Willie Steel(Howlin' Wolf)

同時期の南部、メンフィスでもシャッフルが完成されつつあったそうです。確かにむしろこちらの方が今考えるダブルシャッフルに近い気もします。



Jessie "Cleanhead" Love
(Boyd Gilmore,Houston Boines,Charley Booker)

こちらは同時期のミシシッピの録音。
録音的にドラムのリズムは全面にでていませんが、ギターのウォーキンベースが引っ張る全体のシャッフル感が気持ちいいです。




Bill Russell(Baby Face Turner,Sunny Blair)

こちらも南部録音とのこと。他の録音と比べてスネアの音が大きめでシャッフル感を作っています。気持ちいいスネアの音も含め個人的に好みです。こちらは2曲ご紹介。




というわけで、今回はシャッフルドラム創成期をご紹介しました。

次回からは年代関係なしで気になるブルースドラマー、シャッフルドラマーをご紹介していきます。

by hithard




2015年7月24日金曜日

シャッフルなきもち

★ 本日金曜セッション

7時半オープン
8時スタート




今日のブログのタイトルどう??

お店がブルースバーなのに、なかなかブルースに関して何も書けない自分。。
たまにはちゃんとブルースっぽいことを書きたい

でも自分では書けない。。。

どうしたもんか?? 

ってことで、助っ人登場!


写真は期間限定

彼とはちょうど同じころにスロブのセッションに参加し始めたハズ
もともとの実力の高さに加え、ブルースにどっぷり心奪われ
ミッキーも関心するほどの研究熱心さでテクニック、知識
両方の力を得て、この辺界隈ではピカ一のブルースドラマーになってしまいました

そんなHさんには「シャッフルなきもち」というタイトルで
月一ぐらいのペースで書いていただくことになりました(^^)v


ブルースはリズム音楽ですからね
どんな楽器にもこのシャッフルなきもちは必要だと思うんです
みなさん是非楽しみに読んでくださいね~♪

前置きが長くてすんません

ではでは

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

こんにちはhithardです!SlowBluesのブルースセッションに
時々お邪魔してお酒とドラムを担当してます。
ブログのネタ不足のお助けマンとしてこれから時々ブログにも
お邪魔する・・・かもしれません。


最初なんで少し書かせてください。

自分のことですいませんが、きちんとブルースを聴く前は有名なブルースマンの超代表的な曲しか知らなくて、ブルースのイメージを勝手に固めてしまっていました。

良く聴くようになってみると「これもブルースなの??」というくらい、シャッフル、ファンク、スイング、ツービート、ジャンプ、ルンバなど何でもありでびっくりした覚えがあります。
音楽的には基本、何でもありの音楽なんだと思います。中でもブルースのシャッフルは僕にとってすぐに理解出来ない、とんでもなく魅力的な未知のリズムでした。

講釈が長くなりましたが、とりあえず自称シャッフル大好き!のわたくしが広く浅く、多分思いっきりドラム目線でブルースの曲を紹介してみます☆彡

Help Me / Junior Wells & Buddy Guy


Buddy Guyのバッキングは音を出すタイミングや痒いところに届くフレーズが絶妙で、弾きまくるBuddy以上に彼のこういうプレイが好きです。ドラマーはOdie Payne。拍に合わせたスネアの音が2回続けてタタッと聴こえるアクセントが全体の推進感を増している気がします。このダブルシャッフルとかシカゴシャッフルと呼ばれるシャッフルの第一人者の一人とも言われていますね。

She Folds Me / Billy Boy Arnold & The Aces


今も現役のBilly Boy Arnold。僕の中では丁寧なハープを吹く印象と程よく力の抜けた歌が魅力の人です。でバックのThe Aces。もうこの3人の音!という確固たるバンドとしての音が感じられますね。ドラムのFred Belowはおそらく最も有名なブルースドラマーだと思いますが、僕もご多分に漏れずこの人のシャッフルをまねるところから入りましたが、絶妙すぎて早々に挫折しました。


Everyday I Have The Blues /  B.B.King 


B.B.KingやMuddy Waters、James Brownなんかの声の力には震えがくるくらいの存在感を感じるときがあります。ドラマーはCalep Emphrey。2拍目4拍目のスネアのダブルのアクセントがより強調されていておかげで推進力に加え、ビートがシャキッと立っている感じがします。もちろん曲を引き立たせる工夫の中で叩いているのだと思いますが、その人のくせとかが色濃く出るのもブルースのシャッフルの魅力かな、と個人的には思っています。


hithardさん ありがとう!!
次回もお楽しみに~~~♪